霞みゆく破片

漫画と映画の感想ブログ。アウトプットすることで覚えておきたい。

ポラロイド

呪いのカメラで撮影された人が次々死ぬ物語

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基本情報

作品名:ポラロイド
監督:ラース・クレブバーグ(代表作『チャイルド・プレイ』リブート版)
製作:ロイ・リー(『IT』制作陣)
ジャンル:ホラー・サスペンス映画
描写:実写・CG
公開:2019年
音声:字幕

あらすじ(ネタバレあり)

同じ骨董品店でバイトする同級生の男の子から
ガレージセールで買ったレアなカメラを貰って喜ぶバード。
しかし撮影した人が続けて死んだことで写真の影が原因だと確信する。
写真に火をつければ被写体も燃える不気味な連動で
殺人が終わると影は次の写真に移動する設定。

仲間を守ろうとしながらも自分は写ってないと安心していたバードだが
窓の反射で写り込んでいたせいで自分も攻撃されて焦りが増す。

解決の為にカメラの持ち主を探すと過去の殺人事件が浮かび上がった。
被害者と加害者どちらも兼ねた遺族の老婆を訪ねると
娘の恥ずかしい写真を撮った同級生4人組のイジメを苦に娘が自殺し
夫は制裁しようとしたが全員殺す前に警察に撃たれ死んでしまい
殺し損ねた最後の1人を探している筈だと聞かされる。

バードたちは卒業アルバムからよく知った保安官が最後の1人だと知り
自らの手で撮影して保安官を殺し、事件を収束させようとする。

しかし保安官は誤解だと言う。
父が娘に性的虐待の写真を撮り、救おうと証拠写真を得たが
報復に監禁され自分は運よく助かったのだと。

今度はそれを信じたバード。
影を撮影し、現像したポラを握り潰すことで退治完了。

【襲撃される人たち】
・母の遺品整理でカメラを見つけた少女(序章)
・バードにカメラをプレゼントした骨董品店の男の子
・パーティー主催者の家主
カップル1人ずつ
・保安官
・影(自爆)

バードとバードの想い人の男の子が助かるハッピーエンド。

感想(ネタバレあり)

殺される仕組み解説を主軸に構成されているので衝撃弱め。
公式サイトのストーリー紹介で窓の反射までネタバレしてるのは失敗では。
「撮ったら死ぬよね。バードも写ったね。聞いた通りに話が進んでいくね」
って感じで予定調和の前半が退屈。
よく言えば様式美だけど「起」「承」をここで使っちゃうのは長い。
「転」で影の正体と退治に動き出してお話がやっと始まった印象。

虐待されてた少女の死亡日付は監禁者の死亡日付の後という
保安官の発言が正しい決定的証拠をもっと「大発見」にして欲しかった。
老婆と保安官の言い分はどちらが正しいのかという
独自の考察目線でヒントを探しながら見れたらもっと面白かった気が。
素材や演出は良いのに結論をあっさり出しすぎて話がつまらない。
全体的に「ちょっと残念」な映画だった。

影が人を攻撃する「攻撃描写の怖さ」だけ合格。

特筆したい点

影の攻撃力に差がある

にじり寄る時間はそこそこ長いものの、手にかけたら即死だったのに
バードが攻撃されるラストシーンだけ攻撃がゆるい。
ラストを盛大に演出する為に強引に互角にしたような違和感。
お前の実力なら一瞬でやれるだろ!何もたもたしてんだ!

責められるバードをもっと下さい

カップルの女の子側が死んだ時の彼氏の怒りが良い。
それまでの死に対してはショックはあるものの悲しみは然程描かれず
同級生という適度な距離が少々他人事のような感じだったのに対し
ようやく納得出来ない哀しみから憎悪が芽生えて良い感じ。

目の前のことにただ対応していくんじゃなくて
哀しんだり憎んだり自責したりっていう要素が入ると面白かった。

影がこの世に留まる理由なくない?

娘のことを思って仕返しを終えないと成仏出来ないという
老婆の言い分が正しければ納得だけどなんでまだ彷徨ってるの?
執着して性的虐待をしてた娘はもう死んだし
自分の虐待証拠を当時暴こうとしてた今の保安官への執着にしても
自分もう死んじゃってるんだから意味なくない?
死後の名誉を守るためにいるの?

首吊りのシーンをもっと効果的に出来たのでは

私だったら映画の始めに娘が首を吊るシーンを持ってくるかな。
意味深なセリフを吐いて伏線回収待ちにした方が
事件真相に深みが出るんじゃないかなー。 

全体的に要素が多すぎてまとまりが悪い

虐待父がカメラを教えてたとか、それを使って娘が辱められてたとか
老婆が名前を変えて同じ家に住み続けてることとか
人物の設定とか描写が散りすぎて回収出来てない印象。