霞みゆく破片

漫画と映画の感想ブログ。アウトプットすることで覚えておきたい。

ラ・ヨローナ〜泣く女〜

ねじ曲がった憎悪で子供を殺し続ける悪魔退治の物語

 f:id:comic-movie:20191220220826j:plain

基本情報

監督:マイケル・チャベス(英語版)
脚本:ミッキ・ドートリー / トビアス・イアコニス(英語版)
製作:ジェームズ・ワン / ゲイリー・ドーベルマン(英語版)
公開:2019年 / アメリ
時間:93分
前作:アナベル 死霊館の人形

 

あらすじ(ネタバレあり)

1637年のメキシコで幸せに暮らしていた一家。
妻ヨローナは夫に浮気されて嫉妬に狂い、夫が一番大切にしているものを奪おうと
我が子を2人とも溺死させるというクレイジーな行動に出てしまう。
当然自分の子でもあり、殺害した自責に苦しみ自らも川に身を投げ自害。
それが伝説となり、水辺に近寄ると
ヨローナが代わりの子供をさらうと言われるようになった。

1973年のロサンゼルスにシーンは移る。
ここからは虐待幼児を救う仕事をしていたアンナを軸に物語が進んでいく。
担当していたパトリシアの息子たちを心配し
家の奥に閉じ込められた2人を救助した。
病院へ移送し、ここなら安全だと確信した保護だったが
子供たちは怯え続けその夜のうちに2人とも殺されてしまったのだった。
パトリシアはアンナのせいだと恨み、息子を殺したヨローナに祈りを捧げる。
「どうか私の息子を返して下さい。その代わりアンナの子供たちを殺していいわ」
こうしてターゲットがアンナの子供たち2人に切り替わった。

何度か子供たちが殺されそうなシーンが訪れるが
ヨローナは水属性の魔物であり、水に近付かなければ無事でいられた模様。
アンナは神父の紹介でエクソシストを独自にやっている者に頼み込み
家に入り込んだヨローナを退治する儀式を行うことになった。

しかしヨローナと元神父の力は五分五分といった感じ。
心もとない軟弱な結界の中で縮こまるしかないアンナたちだったが
なくしたぬいぐるみを結界の外に見つけて思わず出てしまった娘が
プールに引きずり込まれ溺れかける。
アンナが飛び込んで救助に成功するが、油断ならない一騎打ち状態。

決め手となったのはヨローナが自殺した際側に生えていた樹木から作った十字架を
彼女に向けることで成仏し、アンナたちはハッピーエンド。

 

感想(ネタバレあり)

全体的にまぁまぁ満足。
旦那への腹いせなのに我が子を殺すってどういう心理だよとか
メキシコ人がなんで300年後のアメリカに来ちゃったんだよとか
元神父はなんでヨローナの遺品というか対抗策となる物持ってたんだよとか
まぁ細かい突っ込みどころはあるけれども。

亡くした子供の代わりを求めて水に近付く子供をさらい続けるって設定が良かったし
傘のシーンは特に描写が美しくて良かった。
DVDのメイキング映像にはヨローナのビジュアル作りへの拘りが解説されていて
黒い涙や水属性ならではの濡れた迫力にかける熱意
ドレスの汚れも力作だと分かった。

あと個人的に「泣く女」っていう悲劇を題材にしてるところも好き。
意思の疎通が出来ずに無闇に攻撃してくるタイプの敵は殺すしかないし
善と悪が明確に二分されちゃうけど
この人はこの人で苦しかったんだな、どうやったら救われるかなっていう
解決策を考えることが出来る状況ってただの悪魔祓いより惹かれる。

単純にTSUTAYAの新作コーナーにあって興味を持っただけだったので
前後作も近々見てみたいところ。